Instrumental™ Research #78
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千葉県佐倉市にある『DIC川村記念美術館』に家族で行ってきました。今月末で休館し、規模を縮小して都内に移転されるということで、最後にもう一度「マーク・ロスコ」の作品を鑑賞しておこうと思ったからです。同じように考える人が多かったのか、休館発表後は来館者数が通常の5倍以上に増えたそうで、これまで何度か訪れた中でも、これほど多くの来場者で賑わっていたのは初めてでしたね。
同館は、かつて里山だった約3万坪もの広大な庭園が素晴らしく、美術館前に広がる大きな池を中心に、自然散策路や芝生の広場、モネの睡蓮を思わせる池などがあり、白鳥が遊ぶ姿が見られます。
戦後アメリカ美術を中心とする20世紀美術品を所蔵していて、そのコレクションを代表するのが「マーク・ロスコ」の作品「シーグラム壁画」で、約30点の連作絵画の内の7点が、同館の「ロスコ・ルーム」と呼ばれる薄暗くて静寂な専用空間に、巨大な赤褐色の絵画が展示されています。
ボクが初めて「ロスコ・ルーム」で作品を鑑賞したのはかれこれ15年以上前で、入った瞬間は重苦しさを感じましたが、ソファに座ってしばらく作品を眺めていると、まるで瞑想しているかのように不思議と落ち着いた気持ちになってくる空間なんですよね。
そして「ロスコ・ルーム」から進んだ先に、大きな窓の外に広がる木々の景色と陽の光が溢れる大きな空間がありますが、以前は「バーネット・ニューマン」の作品「アンナの光」という巨大な赤い絵画だけを展示した「ニューマン・ルーム」と呼ばれる専用空間になっていました。2013年に作品が売却されて以降は、何も展示されていない休憩スペースのようになってしまいましたが、当時は入った瞬間から暖かさと開放感を感じて明るい気持ちになる空間で、「ロスコ・ルーム」とセットで陰と陽の補完関係になっているような本当に素晴らしい鑑賞体験でした。




今回久しぶりに訪れてみて、やはり「ニューマン・ルーム」が失われたことで二つのバランスが崩れてしまい、美術館の魅力が薄れてしまった印象を受けました。運営が厳しかったのかもしれませんが、つくづくセンスが無いと思いますね。
同館に子供を連れて来たのは今回が初めてだったんですが、小さな子連れというだけで何もしていないのに、部屋を移動する度に係員から注意されて本当にうんざりしました。これまで色々な美術館に子供を連れて行きましたが、こんなに不快だったのは初めてですね。他の子連れ客にも同じように注意していたのでマニュアルなんでしょうが、中にはキレ気味の客もいましたね(笑)。
また、近年はSNSが集客や認知拡大に大きく影響するため、ようやく日本でも作品エリアの一部で撮影ができる美術館も増えてきましたが、同館は作品どころかロビーやエントランスを含めて一切撮影禁止。さらに作品を見たまま素直に感じて欲しいという理由から解説は設置しないという、開館当初から変わらない運営スタイルを守り続けていたようです。
母体である「DIC」の長年にわたる業績不振だけでなく、美術館の運営も赤字続きだったようです。アクセスの悪さも影響しているんでしょうが、時代に合っていない古い運営体制が大きく関係していると思えてなりません。
庭園はしばらく一般開放されるそうですが、コレクションは建築ユニット「SANAA」によって設計される六本木の「国際文化会館」の新西館に移設され、開館は2030年を予定しているそうです。これを機に運営体制の見直しを期待したいところですね。
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